出版社内容情報
ご存じ孫悟空の物語。天宮を騒がせ、お釈迦様に五行山下に閉じこめられた悟空は、五百年後に三蔵に救われ、取経の旅にのぼります。(C-10)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
内容説明
如意棒を片手に〓(きん)斗雲にうちまたがれば、ひとっ飛び十万八千里をゆく、ご存じ孫悟空の物語。天宮を騒がせ、お釈迦様に五行山下に閉じこめられた悟空は、五百年後に縁あって三蔵法師に救われ、猪八戒と沙悟浄と共に、仏典を求めて天竺雷音寺へと取経の旅にのぼります。はたして、いかなる運命が待ち受けているのでしょうか。
著者等紹介
君島久子[キミシマヒサコ]
栃木県に生まれる。慶應義塾大学卒業、東京都立大学大学院修了。現在、国立民族博物館名誉教授、中国中央民族大学名誉教授。中国文学を専攻し、特に民話や神話伝説および児童文学を研究
瀬川康男[セガワヤスオ]
1932年、愛知県岡崎市に生まれる。60年に処女作『きつねのよめいり』を出版以来、その仕事は日本及び海外で高く評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
84
ざっくりと知っている物語でしたが、今回初めてきちんと読みました。三蔵法師と共に天竺を目指す旅に出る孫悟空。巻き込まれる争いや地獄めぐりなど、初めて知るエピソードも多く、ハラハラしどおしでした。講談調の語りで次はどんな展開が待っているのかと引き込まれます、続きも読みます。2017/05/05
水面
12
岩が卵を産んで、卵が孵って生まれた石猿が孫悟空である。「そうして100年ほどが経った」というように、時間のスケールが大きい。そして、空間のスケールもとんでもない。猿がすぐ怒ったり笑ったりするのが面白い。経典を取りに行くお師匠の三蔵法師が、ひ弱ですぐ泣いたりするのがかわいい。さてさて、この後はどのようにお話がすすんでいきましょうか。それは次回のお楽しみに。2021/08/11
qwer0987
10
児童向けの割に、少年少女には難しそうな語彙が続くが、原典の雰囲気を伝えるすばらしい訳だ。しかし西遊記は省略された翻案ものしか読んでこなかったので驚くことが多い。孫悟空が天界で修行した行者だったこと、筋斗雲に乗れるのも道術由来だったこと、三蔵がピンチのとき悟空は菩薩たちに助けを請うことが多く存外デウス・エクス・マキナなこと、など細かな設定は知らなかった分面白い。上巻は孫悟空が岩の下に閉じ込められ、三蔵の弟子となり猪八戒らを仲間にするというおなじみの展開まで進む。これぞ西遊記という感が楽しい内容だった2024/09/26
さきん
9
如意棒を片手に〓(きん)斗雲にうちまたがれば、十万八千里をゆく、孫悟空の物語。天宮を騒がせ、お釈迦様に五行山下に閉じこめられた悟空は、五百年後に縁あって三蔵法師に救われ、猪八戒と沙悟浄と共に、仏典を求めて天竺雷音寺へと取経の旅にのぼる。孫悟空の成長がそのまま読者への啓蒙になっていると感じた。今の中国にどれ程の仏教文化が残っているか?2015/07/23
taikiat
8
水滸伝、三国志と読んだので、西遊記も読みたくなった。「福音館文庫ならハズレないでしょ」と妻にアドバイスされ手に取る。結果、大正解。悟空や八戒、悟浄やウマの生い立ち部分など、小難しいところも意外に読みやすい。挿絵も、最初はなんだこれ、と思ったが味のある絵でクセになる。さてさて、どんな物語になりますことやら、次巻をお楽しみに。2021/06/01