出版社内容情報
全国に分布しているたくさんの「かちかちやま」話の中から、選びぬかれた決定版。美しい自然を背景に、うさぎとたぬきの息をのむ対決がくりひろげられます。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pino
66
赤羽末吉さんの絵は、味があって大好きです。たぬきの、ふてぶてしい顔と、うさぎの、涼しげなスマートな顔が、2匹の性格の違いを表わしていて面白いなぁ。たぬきは、後先、考えずに、悪さをしまくり、懲らしめられ、痛い目にあっても、分ってない。川に沈んでも、やっぱり、たぬきの顔のまま。うさぎは、徹底して、あれこれ復讐を考えては、実行する冷静さ。沈む、たぬきを見ても、やっぱり、涼しげな顔のまま。こちらは「ばばあ汁」ありバージョンになってます。とても、残酷ですが、昔の人の生活から生まれた話として楽しみたい。どんどはらい。2012/08/22
Willie the Wildcat
61
懐かしい。今振り返ると、”ばあじる”は少し子供には酷な表現かもしれない。でも、悪いことをしたら必ず罰が当たるよ!と戒めるのが目的なんだろうなぁ。ふっと、復習の連鎖に終わりは無いのでは・・・、とも感じる。時代、年齢により感じ方も異なるのかな・・・。赤羽氏の絵は、いつも”掛け軸”の印象。本著では特に動物が印象的。狸の狡さに対して、無表情の兎。後者から時に、恨みの怖さを感じざるを得ない・・・。2013/04/14
ゆうゆうpanda
52
<読み聞かせボランティア・対象3年生>赤羽末吉の絵が素晴らしい。たぬきが悪そうな顔です。さて、皆さんどれくらい内容を覚えてますか?たぬきの口車に乗って縄をほどいてしまったお婆さん。殺されて「ばあじる」にされてしまいます。お爺さんはそれを知らずにすっかり食べてしまいます。大人になるとカリバニズムだ!レスター博士か?なんて余計な知恵がついてしまって思考停止になります。子供達はどんな反応なのでしょう。びっくりして引き込まれることでしょう。小澤俊夫氏の文はリズミカルで最後までよく聞いてくれそうな予感。楽しみです。2016/09/06
ちえ
33
昔話研究の第一人者小澤俊夫氏と赤羽末吉氏の最強のコンビの再話。誰でも知っている話だけど、これは怖いよねー。残酷だけど昔話はこれくらい迫力がないと。言葉や舟の上での唄のリズムが心地よくて、これは読み聞かせたくなる絵本。ややくすんだ赤や水色の絵もとても好み。それにしても「この狸汁、なんだかばあさまくさいなあ」って…。2023/10/30
みつばちい
30
卯年にちなみ、一年生に授業で読んだ。最初の方、怖がって顔を隠す子や、「ちょっと怖いけど大丈夫だよ」励ます子、たぬきが最後沈むと「やったー!」と拍手する子など様々な反応だった。「おばあさんどうなったの?」と聞く子もいた。2023/01/13