出版社内容情報
貧しい画家を慰めるため、月が夜毎に語りきかせます。生涯旅を愛したアンデルセンのみごとな短編集。(S-28)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
屋根裏に住む貧しい孤独な青年画家のもとに、幼なじみの月が夜ごと訪ねてきて、月が見たことを話してくれます。第一夜から第三十三夜まで、それは美しい、月光のようなお話の数々…。生涯旅を愛したアンデルセン自身の体験と詩人の想像力が結晶した、独特の輝きを放つ魅力的な作品群です。小学校中級以上。
著者等紹介
アンデルセン,ハンス・クリスチャン[アンデルセン,ハンスクリスチャン][Andersen,Hans Christian]
1805年に生まれた。デンマークの詩人、作家。靴職人の父の死後、愛情深い母親のもとに育つ。14歳で舞台俳優を目指すが、挫折。その後、戯曲や詩集が認められ、小説『即興詩人』で、作家の地位を得る。1875年没
大塚勇三[オオツカユウゾウ]
1921年、中国東北地方で生まれた。東京大学法学部卒業。主に外国児童文学の翻訳紹介や民話の再話を手がける
オルセン,イブ・スパング[オルセン,イブスパング][Olsen,Ib Spang]
1921年に生まれた。デンマーク王立美術大学で、グラフィックアートを学ぶ。挿絵や絵本、壁画、児童劇の制作など、幅広く多彩な活躍をする。1972年、国際アンデルセン賞画家賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
74
孤独な青年に月が語る三十三話。月は見たままに世界の国々の様子を数百年の時をまたいで紡ぎます。画家である青年がその語りをスケッチした絵を見てみたいものです。お話しはある一部分を切り取っただけのような短編が多く、読み手にその結末はゆだねられます。月光に見守られながら今日も世界のどこかで小さなドラマが始まります。2020/01/18
キジネコ
42
この世の無限の昼と夜。曇が地平を覆っていても約束の空には星がある。孤独な画家に月が語り掛けます。描く事に懊悩する彼は恰も読者の現身の様。永遠に続く世界の夜を旅する月が覗いた人の心の光と影を語って聞かせます。読み友さんに教えて頂いて又一冊、絵のない筈の絵本にリトグラフの様な素敵な挿絵が添えられた33話の味わい。思い出して、話しかけてみませんか。寂しさに震え涙する夜も、空で月があなたをきっと見ています。見ようとしないものには永遠に見えないものが この世界にはあります。16夜の道化、31夜の熊、3夜の薔薇…2017/02/17
michel
17
★3.5。月が貧しき若者に語った世界で見た三十三の夜の話。あらゆる世界で月はそっと見たー街や子どもや偉人や道化師や…毎夜毎夜、世界で誰かが泣き誰かは笑い誰かは眠り誰かは思い耽り、世界の誰も皆同じように月に見られている。アンデルセンの優しい眼差しが、月光のように包んでくれる作品。私は第七夜が一番好き。2019/09/29
Maki
15
【図書館】わたしが読んだのは愛蔵版で青い表紙でした。月はわたしにとって特別な存在。必ず再読します。そのときはちゃんとレビューが書けたらいいな。2018/09/23
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
アンデルセン童話の本を探していてシリーズでこちらを見つけました。子どもたちには読みにくいかな? シリーズの中では一番読みやすかった。2024/05/05
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- 和書
- 漫画に愛を叫んだ男たち