内容説明
ペットショップで金色の目をした「てんじくねずみ」に出会った少女は、たちまち好きになってしまいます。四話からなるこの作品は、小さな動物によせる愛と成長の物語です。
著者等紹介
ギャリコ,ポール[ギャリコ,ポール][Gallico,Paul]
1897年ニューヨークに生まれる。大学卒業後、新聞社に入社。スポーツ記者として活躍したのち、念願の創作活動に入り、イギリスへ移住。1976年没
野の水生[ノノミオ]
東京生まれ
太田大八[オオタダイハチ]
1918年生まれ。長崎県出身。多摩美術学校卒業。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
60
出会いに感じた直感を育むグランドファーザー時計。ジャン=ピエールとの”別れ”が齎すセシルの成長。自他への愛情、そして信頼。フリッポからの手紙は、唯々心に響く。魔法・・・、人を幸せにする魔法。アンジェリークの”魔法”の場面には思わず微笑み。セシルの父も、無意識のうちに内なる変化。心溶かすキスには、流石に敵わない。(笑)世界一周の寄港先の1つのシンガポールに数年前まで住んでいた際に、パヤレバ空軍基地を見学したことがある。昔は国際空港だったんだ。2017/09/05
はる
59
8才のセシルは、ペットショップで見かけたてんじくねずみに一目惚れ。一方、このてんじくねずみもセシルに一目惚れ。ふたりはその日から、堅い絆で結ばれます……。てんじくねずみ(アビシニアンモルモット)、画像検索すると確かに滅茶苦茶可愛らしい。ポール・ギャリコらしい、ユーモアと優しさに溢れた物語です。わくわくしたり、時にはピンチになってハラハラしたり、楽しい読書でした。セシルの真っ直ぐな想いがとてもいい。舞台が1960年代の南フランス、地中海を見渡す丘の花農家、というのも魅力的です。2023/06/07
ぶんこ
42
ペットショップのてんじくねずみに一目惚れしてしまったセシル。ジャン=ピエールもセシルに一目惚れしていたのでした。早速ジャン=ピエールと名付けます。夏休みでパリのおばさんの家に行く飛行機でジャンが行方不明になって大騒ぎ。セシルの気持ちを思うといたたまれない。なんと世界一周をして戻ってきました。その間にはサーカスの一員として大人気になってもいました。ジャンの波乱万丈の日々を思うと、セシルとは別に切なくなってしまい、ジャン目線での気持ちの移りかわりを知りたかったです。2023/06/29
アオイトリ
24
読メのレビューより)こども時代、大ファンだったギャリコを久しぶりに読みました。軽快で、明るくって、たっぷりのユーモアが楽しい♪ ペットショップで運命の出会いをしたセシルとテンジクネズミ。ジャン・ピエールと名付けて熱愛します。彼は確かに特別な存在。愛くるしく、賢いネズミ。面白いのは、仲良しの二人が離れ離れになっている場面が長いこと。アメコミのような波乱万丈の展開のなかに登場するピエロのフリッポがいい味だしてます。愛するジャンのほんとうの幸せとは?セシルの心が育っていく様子が好ましい。品の良いご両親も素敵。2023/07/23
ロッキンロビン先生
15
信じること、許すこと、考えること、諦めないこと、自分を犠牲にしてでもヒトの為にすること、こどものきもち、大切なものがいっぱいつまっていた素敵なお話でした。ポール・ギャリコファンだけにわかるサプライズもあって、思いがけないプレゼントをもらった気持ちになったよ。小学校高学年以上向けと思うけれど、夏休みの宿題くらいしか読書をしない子にはちょっと難しいかな。でもチャレンジする価値は絶対あるよ。小さな子を持つ親達にも特にお勧めします。もさもさ。2013/05/04