出版社内容情報
6人の子どもが、破産した父親の財産を、宝さがしで取り戻そうとします。あたたかく描かれた子どもたちの奇抜なアイデアと行動力は、笑いとともに読者を冒険の仲間に加えていきます。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
134
「砂の妖精」「不死鳥とじゅうたん」に引き続いてのネズビットの作品です。前の作品が妖精などが出てくるファンタジーなのに比べて今回は子供たちが財産のなくなった家庭を助けるためにさまざまな実生活でのある意味冒険を描いたものです。今回も兄妹たちが多く6人です。この作家は私が子供の頃には全然なかったのですがいい作品を書いていると感じました。あとがきで訳者によるこの作家の簡単な伝記が書かれているのも参考になりました。2017/03/24
更紗姫
10
小学6年生の誕生日プレゼントに買ってもらった。久しぶりに手に取り、初めて訳者あとがきを読んで吃驚(子どもはあとがきなんて読まないものね)。スゴい!ネズビット。病気の旦那を抱えて、半ば強引に原稿や詩をつけたクリスマスカードを業者に売りつけ、朗読でも報酬を得る。8人出産し4人が早逝、旦那の隠し子2人を引き取り育てる。「フェビアン協会」を発足、社会活動も同時に行う。家事、育児、病人の看護の傍らに・・・。他の作品や、評伝を探してみようと思う。『砂の妖精』と共に、兄弟の存在を有難く感じる作品、大好き!!2014/10/20
みみぽん
8
子供時代ってなんであんなに楽しかったんだろう!6人の兄弟たち。彼らは貧しくなった家計を助けるため、お金儲けの思索を考える。その方法のユニークなこと!でもー彼らはいたって真剣なんです(笑)探偵になり悪を懲らしめようとしたり、懸賞金目当てに編集者に『詩』を送りつけたり(ゴキブリのポエム)、手作り新聞を発行することも。悉く失敗してもメゲナイ。英国流たっぷりの皮肉とジョークに大人もほくそ笑む。それでもその健気さと純真さに最後はぽろり。ロンドン街の風景も楽しめる。お国違えどこんなに懐かしくなるあの頃に感動です。 2022/02/28
topo
8
経済的に困窮した父親を助けたいと、あの手この手で奮闘する6人の子供の物語。子供たちのアイデア、貧しくても心の豊かさは失わない姿、何より父を支えたいとの願いに心あたたまる。時にケンカしつつも純粋で素直な彼らの姿は応援したくなること必至。子供目線でふれ合いながら影で助けてくれる大人たちの存在も物語の面白さの大きな点。理由も聞かず頭ごなしに叱りつけないで、子供のごっこ遊びに瞬時に反応できる大人は貴重な存在。アルバートのおじさん、どろぼう、インデアンのおじさんは名脇役。ツバメ号シリーズのジム叔父さんを思い出した。2020/05/13
ねこねこ
7
すごく好きな本だった!ひとをだましたり、わるいことをしてはいけないのは、怒られるからとか罰を受けるからではなく、それ自体がとても恥ずかしいことだから。「砂の妖精」では苦労せず大金を手に入れても全く幸せになれず、かえって大変な目に遭う。こういう本を子どもの頃に読んでいたら、間違った道に進んでしまう若者たちの人生は変わっていたのかな……と現実に思いを馳せる。本の秘密の語り手がとても愛おしい。子どもたちの遊び心を尊重し一緒になって楽しんでくれて、時には戒めてくれる大人のすばらしさ。私もそんな大人になりたい。2024/10/30