出版社内容情報
密貿易船に売られた青年デービッドは、ふとしたことから殺人事件にまきこまれ、政治犯とともに、スコットランドの荒野を追われる身となりました……。血わき肉おどる冒険物語です。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
67
これは良いです。立派な装丁、挿し絵付き、地図も入って過酷な旅の経路もたどれます。訳も丁寧で子ども向けだからと妥協するところはありません。しかし取り上げられている舞台がスコットランド、「アッピン殺人事件」、ジャコバイトとホイッグ党の対立となじみが薄くてむしろ大人向けです。最初の海での活劇以降はムーアや山を這いつくばって走破する過酷な逃走劇です。アランとデービッドの関係も育ちや価値観の違いによる相克、葛藤、友情など複雑な色合いです。最後の別れは、寂しさだけでなくこれからの冒険も期待させてくれます。2022/01/23
ゆーかり
15
宝島やジキルとハイドで有名なスティーブンソンによる歴史冒険小説。折角なので映画も見直す。1751年スコットランド。叔父に騙され奴隷船に売られたデービッド。途中旅の友となったアランは政府のお尋ね者。命の危険に曝されながら、海で、ハイランドの地での冒険の数々。当時スコットランドはジャコバイト(主に高地人)が英国政府軍と戦って敗退(カローデンの戦い)、降伏後も政府軍による殺戮は続けられた。キャンベル氏族は高地人だが政府側。同じスコットランド内でも敵対関係だったり言葉も違ったりでちょっとややこしい。冒険小説の古典2015/06/29
はる
14
図書館本。福音館書店古典童話シリーズ。初版1972年。子どものころに残念なことに出会わなかった本に、おとなになってから出会う。デービッドの巻き込まれ型の冒険!1715年(日本は八代将軍吉宗の没年だから江戸時代)歴史も政治も出身地も宗教も職業もいろいろ絡んでややこしくなる。船、難破、旅、逃走!燦然と輝く宝物は出てこないけれど、一緒に旅をしてさまざまな人たちに出会った。挿絵も良し!バグパイプの生演奏を聞いてみたいかも。2015/06/21
つき
7
イギリスの歴史的事件が背景となっている、冒険小説。 肉親である父が亡くなり、遺言にあった叔父を訪ねたデービッドは、叔父の企みのために予期せぬ冒険をすることになります。 船上で出会ったアランと共に、水夫たちと大立回りする場面は、心臓が早鐘を打つほどかっこよかった! ただ残念なのは、私にイギリスの地理と歴史の知識がなかったこと!2016/09/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
4
自分用覚書 『ぼくたち負け組クラブ』 https://bookmeter.com/books/12341966 巻末リスト3/432020/11/06