出版社内容情報
モモは誕生日にもらった長ぐつをはき、雨傘をさして街の中を歩きます。ぽんぽろ、ぽんぽろ、雨はふしぎな音を奏でます。モモの心は喜びでいっぱいです。
<読んであげるなら>3才から
<自分で読むなら>小学低学年から
内容説明
読んであげるなら3才から。じぶんで読むなら小学校初級むき。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
91
妻曰く「これはトラウマ絵本でしょ〜」。いや、ストーリーは怪談でもトラウマでもなんでもない。あまがさを買ってもらった女の子が、傘をさして歩きたくて歩きたくて、じれるという、ある意味定番のお話。ただ、確かに、絵がちょっと・・・怖いかもね。表紙では熊でも撃ちに行きそうな鋭い瞳の女の子だが、本編では鼻や口がぼんやり溶けあったのっぺらぼうの顔に、黒々とした目だけがくっきりと描かれていて、ちょっとどきっとする。舞台はニューヨーク。絵そのものは古びていないけれど、初版を見ると1963年だった。意外とロングセラーだ。2015/06/14
ふう
69
Eテレで放送された「日曜美術館」のやしまたろう氏をとり上げた番組に、娘さんのモモさんが登場していました。こんなすてきな子ども時代があり、こんなすてきな絵本にしてもらえて、何て幸せなんだろうと思いながら見ていました。でも、気づかないだけで、きっとどの子もモモだったはず。雨傘じゃないかもしれないし、雨の日じゃないかもしれないけど、こんなふうに初めてのものを大切に思い、胸弾ませていたことがあったはず。大人になった子どもにも思い出してほしい世界です。2023/09/12
ぶんこ
49
3歳のお誕生日プレゼントに真っ赤な雨靴と傘をもらったモモちゃん。早く使いたくてカンカン照りの日、風の日に傘を使おうとしますが、お母さんに待ちましょうと言われてしまいます。待ちに待った雨!幼稚園の往きはお母さん、帰りはお父さんと一緒でしたが、今日は1人で歩きます。おとなの人みたいに真っ直ぐ歩かなくては。かたい決意です。大きくなったモモさんは忘れていましたが、ご両親には忘れられない出来事。戦後まもないニューヨークが、窓越しにも明るいのが印象的。2023/12/22
yumiha
45
『からすたろう』(八島太郎)とともにコールデコット賞次点になった作品(『絵本論』P297より)。3歳の誕生日プレゼントにもらった雨傘と長靴は、まだかまだかと雨の日を待ち望む気持ちになって…。でも、自分の雨傘をさすことって、もうパパやママと手をつながないってこと。親離れするってこと。そんな親の気持ちも知らずに、桃ちゃんは雨音の音楽を楽しんでいる。アメリカで出版された絵本なのに、「春」「夏」「雨」「桃」とページの左上に大書された漢字は、作者の望郷の念だろうか。2023/01/14
tokotoko
41
表紙の絵では、とっても「和」な感じ、しませんか?けれど、表紙を開けたら、突然!アメリカ・・・?っぽくなります。そして、もっとめくるとね、この女の子、モモちゃんは、NY生まれってことが判明し、お話はスタートします。テーマは「思い出」。こう書くと、「しっとりした話?」って思われるかもしれませんが、モモちゃんが小さくても大きくても男前な感じのため、意外と、サッパリとした仕上がりになってます。こういう終わり方、私は好きです。2015/06/04