出版社内容情報
朝市は、海でとれたもの、畑でとれたものを持ちよる商いの場。そこには潮のかおりと土のにおいがたちこめていて、人びとにとって楽しいおしゃべりと社交の場でもあります。石川県「輪島朝市」の活気ある風景を描いた、1980年刊行の本作品。令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた被災地の、一日も早い復興への願いを込めて復刊します。本作品の利益は、能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付いたします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
63
知人から復刊のことを聞いて。今日、すぐ買いに行った。残り2冊で、手に入れることができてよかった。何とも味わいのある絵、素朴で温かい会話のやり取りで、輪島朝市のおばあさんたちの姿が臨場感たっぷりに描かれている。多くの人に買って読んでほしい!2024/04/20
花ママ
60
1980年刊行の絵本。昔から続く朝市の活き活きとした様子が描かれています。学生時代に旅行で友人と朝市を見学したことも思い出されます。能登半島地震で火災に見舞われ、あとかたもなく焼け落ちた朝市通りの姿に胸が痛みました。同じような地震にあったものとして、1日も早い生活の復旧を願わずにはいられません2024/04/14
よこたん
41
“もう なんねん こうして すわっとるやら。ああ うれた、よかったな、で まいにちが すぎてしもうわ。” この絵本の語りは、輪島・朝市の人びとだ。40年以上前の絵本を復興支援のためにと、このたび復刊。おば(あ)ちゃんたちが大活躍の朝市様子を、素朴な筆致で描かれているところに、お国言葉丸出しの会話が絶妙に乗っかかり、臨場感がいっぱいで楽しい。子持ちの赤ガレイを買って、炙って食べたくなる。海のもの山里のもの家で加工した自慢の品、ほっかむり姿のおばちゃんたち。こんな風景をいつの日かまた見られますようにと願う。2024/06/08
ヒラP@ehon.gohon
40
さり気ない輪島朝市が、とても遠い思い出に感じます。 朝市通りには、飾らない素朴な能登の日常がありました。 観光客としては、買って帰れる物は多くないのです。 だから、おばさんたちと会話を楽しむようなことになってしまいます。 それでも、おばさんたちは気さくに相手をしてくれました。 地震で崩れ、大火で焼失してしまった輪島朝市の世界です。 能登の人々が、今どんな思いでおられるのか、考えてしまいます。2024/03/31
Y2K☮
34
石川県「輪島朝市」の風景を描いた1980年刊行の絵本が待望の復刊。「本作品の利益は、令和6年能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付いたします」とのこと。この場を通りかかったら、言われるがままに何でも買ってしまいそう(ふぐの売り文句が驚愕)。年末の上野の「アメ横」を思い出す。40年以上経った現在もこういう感じなのかな。多少は変わったかもしれない。福音館書店さん、もし可能ならいつか令和版「あさいち」もぜひ。その頃には元の賑わいが戻ってきているはず。せめて本書を買うことと売ることで応援させてください。2024/03/14