出版社内容情報
第二次大戦のさなか、外国生まれの小人たちを愛し続ける少女ゆり……。いまわしい現実と不安な日々が感動的に描かれています。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
65
家の2階の小さな書庫に住む小人たちと、彼らのために毎日コップ一杯のミルクを運ぶ少女ゆり。しかし戦争のせいで次第に物資は不足し、ゆりも疎開しなければならなくなる…。疎開先で経験する様々な辛い出来事。しかも小人たちはミルクが無ければ生きていけない。終始重い展開だけれど、小人の子供たちは常に前向きで、その逞しさに救われる。彼らとハトとのふれあいや、アマネジャキとの友情の場面は素敵でした。2018/06/07
ぶんこ
43
イギリスに帰国する婦人から託された小人。毎日青いコップにミルクを1杯持って行く事。簡単に思えるこの事が、その後の戦争勃発で困難になっていく。野尻湖に疎開した小3のゆり。懸命に小人一家にミルクを絶やさないように頑張るが、病気になって寝込んでしまい途絶えさせてしまう。小人一家に鳩の夫婦、アマノジャキとがかかわってきます。アマノジャキの健気さに涙。読んでいると本当に小人たちが居ると思い込んできました。アマノジャキにも会いたいな。素敵な本に出会えて満足です。2018/08/09
ちえ
29
読友さんのレビューで図書館の閉架から出していただいた。読み返し(こんなにメッセージ性の高い本だったのか!)と驚き。作者の(暗い戦争の日々、敵国の妖精達を愛することに後ろめたさを感じながら、どうしてもその小さい人々を大切に思わないわけにはいきませんでした…そうはいっても、それは後ろめたさを感じながらの、ひそやかな、卑怯な逃げ腰の愛し方だったことも事実)という思いが書かせた本。厳しい時代、本当に大切なものを守っていく難しさ。読友さんたちに感謝です。続きも閉架から出してもらおう。2018/06/24
頼ちゃん
13
子どもの時以来の再読。ファンタジーのようで、現実的。戦争に対するメッセージ。日本の歴史も感じさせ、自分の子供の頃の家を思い出す。2019/11/14
myc0
13
子どものころから何度も読んだ本。引っ越し先の土地の図書館で見かけたので借りてきちゃいました。森山家代々の子供たちから貰う、コップ一杯のミルクで生きる小人たち。彼らの生活にとてもわくわくする。過酷さを増す戦争が森山家の生活を変え、次第に小人たちの生活も変え…。このままではいけない、と外の世界を知ろうとする小人のロビン。彼らの視線を通して描かれる、外の世界の描写がとても好き。子供のころから反戦文学はたくさん読んできたけど、それはどこかファンタジーな感じで。過去の物語で。今、これを読む私は、昔と同じように、2017/06/30
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