出版社内容情報
女の子のノンちゃんは神社の境内にある大きなモミジの木に登りますが……。戦後出版されると同時に多くの読者に感銘を与えた名作。今も変わらぬ新鮮さに溢れた日本童話の古典です。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
85
空色の表紙が心に染みて広がる。優しい風を感じるような筆致の挿絵が心をそっと撫でる。青いインクで綴られたノンちゃんのお話が、思えば澄んだ空のようだった子供時代をわたしの記憶の池の水底からふわっと浮かび上がらせた。2019/09/07
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
85
本好き仲間の友達に借りた!お気に入りだそうで、どんなお話かと思えば、なるほど、友達の言っていた通り、説明するのが難しい。なんとも不思議なお話で、独特の空気をまとっているように感じられる。少年・少女時代の、おもしろくて、楽しくて、愉快で、切なくて、ちょっぴり悲しい感覚が、優しく、ほんのり温かく描かれており、大人になって読んでみると、ノンちゃんぐらいの歳の頃が懐かしく、また「なるほどね!」という風に感じられる。子ども時代を思い返す話でもあり、子どもを慈しむ親になったような感覚も味わえる、なんとも不思議なお話。2013/02/23
なる
52
母親と兄のお出かけに置いて行かれてしまった妹ノンちゃん。療養中で遠くまで外出ができないこともあって留守番になった経緯があるけれども幼いノンちゃんにはそんな事情は理解できず、ふてくされて一人で遊んでいるうちに木に登りはじめて…からの不思議な話が始まる。おそらく児童向けに書かれた物語でありながら、大人になってから読むとそこかしこに真意が散りばめられていて興味深い。印刷が黒と青のインクで分けられているのも印象的。特に「にいちゃんの話」とか計算の話とか、思考を見事に表現しているのがとにかく感心してしまう。2022/09/15
ぶんこ
35
子供の頃、鰐淵晴子さんのノンちゃんで、映画をみました。 ノンちゃんといえば、鰐淵晴子さんでした。 内容は忘れていました。 日本語が美しいと思ったり、昭和の生活のゆるい流れが懐かしかったり。 子供時代を昭和の時代に過ごした大人には、静かな涙が流れ続ける本でした。2014/06/03
天の川
34
幼い頃に父が買ってくれた本。いじめを扱った本を読んだ後、ひずんでいない子どもの世界を書いた本を読みたくなりました。戦前の日本の良き家庭の姿が伺えます。美しい日本語、しっかりとした躾。ガキ大将のお兄ちゃんがイキイキとしていて、とても良い。おじいさんにお兄ちゃんの話をすることで、ノンちゃんはお兄ちゃんの良さを発見していきます。雲の上のおじいさんが優等生のノンちゃんに諭す「シャクシジョウギ」「ひれふす心」…今の子どもたちも読んでくれたらいいのにな。2014/08/16