内容説明
激動の1960~70年。見る者の心に突き刺さる“釜ケ崎”の衝撃的な写真で登場した井上青龍。伝説中の人物と化した今、なお輝き続けるこの写真家の実像に迫ります。清廉で鳴る写真家・太田順一、書き下ろし長編ノンフィクション第1作。
目次
1 天下り来て
2 総領
3 ドンなやっちゃ
4 人間やぞ
5 ナロードニキ
6 あんな父
7 もうやめやッ
8 病院のような俳句
9 岩宮という壁
10 抱え込み過ぎた亡霊
11 井上くん
12 もう一度、撮るんだ
著者等紹介
太田順一[オオタジュンイチ]
1950年奈良県生まれ。写真家。早稲田大学政治経済学部中退。大阪写真専門学校卒業。写真集に1999年「ハンセン病療養所 隔離の90年」(解放出版社、第12回写真の会賞受賞)、2003年「化外の花」(ブレーンセンター、日本写真協会賞第1回作家賞受賞)、2010年「父の日記」(ブレーンセンター、第34回伊奈信男賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
15
写真家・井上青龍のはなしだが、師である岩宮武二の凄さには、食われそうな感じがある。「猛烈人間の見本」との形容があるが、二人揃った時はどのようであっただろうか。2016/04/02
ひぽ
3
志半ばでこの世を去った写真家、井上青龍の生涯を同じ写真家の視線から書き記す。 彼が残した釜ヶ崎の写真が、今でも強烈な印象を残す理由を改めて知る事が出来た。 自分が実際にお会いし、お話を伺った事がある方を文章の中に見つけた事も個人的に嬉しかった一冊。2013/02/16
takao
2
ふむ2022/11/08
ひつまぶし
0
釜ヶ崎の写真に触れていると、ふとしたところで出てくる井上青龍について予備知識を持っておくべきかと思って読んでみた。井上本人より、周りの人たちのエピソードが多くなるのは、その「時代」の中に埋め込む形でなければ井上青龍を語ることはできなかったということなのか。正直、写真家に興味はなかったけれど、単純なようでうまくまとまりきれない彼の人間性と、釜ヶ崎の写真で名を上げたゆえに撮れなくなっていくところに強い共感を覚えた。語りえないものをいかに形にするのかを課題にする時、写真だからといって、とらえやすいわけでもない。2022/04/25
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