内容説明
生き物を形づくり、その活動のすべてを支えている「生命原理」とは何か。それは、電磁気力、核酸、そしてタンパク質の働きに求められる。正と負という2種類の状態をもつ電荷においては、異種の電荷の間に引力が生じ、同種の電荷の間に反発力が生じる。こういった力―電磁気力―が自然界のエネルギーと働き合って、私たちの周囲にある原子、イオン、分子を反応させ、生命のあらゆる化学現象を引き起こす。その結果生み出された化合物のうち、生命にとって根本的な役割を担っているものが、核酸とタンパク質である。本書は、この3者の働きを中心に、「生命とは何か」「生きているこというのはどんなことか」という根源的な問いかけに答えようとするものである。
目次
第1章 謎
第2章 単純な事実
第3章 タンパク質が遺伝子にタンパク質をつくられる
第4章 タンパク質の力
第5章 膜と代謝産物
第6章 エネルギーの獲得
第7章 制御の維持
第8章 神経がつくる心
第9章 進化の源
第10章 生命を支える原理
第11章 なお残る謎