内容説明
1925年、AT&Tの研究所として発足したベル研は7人のノーべル賞学者を輩出している。その研究範囲は本業の通信分野はもちろん、コンピュータ、医療機器、生理学、電波天文学などをはじめ、きわめて広範囲にわたり、常に世界の科学技術をリードしている。本書は、雑誌『ニューヨーカー』の科学ライターである著者が、「ベル研を自由にぶらついて、話したい人と話せる」特権を与えられ、なおかつAT&Tはその内容に口をはさまないことを条件に書下した興味深い読物である。
目次
序章 大陸横断電話回線への挑戦
第1部 「ビット」(ロナルド・L.グラハム;ベレ―チェス専用マシーン;ベラ・ユレシュ;ミッチェル・マーカス)
第2部 「固体素子」(ラッセル・オール;トランジスタ―点接触型トランジスタの発明;トランジスタ―A.ホワイトと3人のノーベル賞学者;青い動物園;フィル・アンダーソン 1977年ノーベル物理学賞受賞者)
第3部 「テレフォニー」(BORSHT―電話を作動させる六つの基本機能;スザンヌ・ナーゲル;加入者線と幹線―「屋外工場」の実験施設;デビッド・トーマス)
第4部 「絶対温度3°」(ロバート・ウィソルン ノーベル賞受賞の電波天文学者;アーノ・ペンジャス ノーベル賞学者の副所長)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
25
ミッチェル・マーカスの章に視覚のデビッド・マー(オックスフォード大学からMITのAI研究所にやって来た頃で、マーカスはAI研究所で出会ったとのこと)の話が出て、ちょっとビックリ。 まさにデビッド・マーの「視覚」という本を読んで勉強したことがあるから。 ベル研というとトランジスタなので「固体素子」の章がメインなんだろうけど、原題のタイトルからすると一番最後の「絶対温度3℃」がメインなのかも… 電話会社の研究所なんでしょうけど、これだけ幅広くやってるというところをアピールしたいのかもと思いました。2022/01/26