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内容説明
幼いころの両親の離婚、五年前の母の死、それにつづく夫の死…。ケイシーには、これまでいくつものつらい別れがあった。それでも彼女が二人の子供とともに元気に暮らしてこられたのは、優しい継父の助けがあったからだ。それにひきかえ空軍大差の実父は冷酷でワンマンで、別れたあとはケイシーを顧みようともしなかった。その父が今、心臓病を患って入院し、彼女に会いたがっているという。今ごろ会いたいと言ってくるなんて、いったいどういうつもりなの。母が亡くなったときも花を送ってきただけですませたくせに。頑に拒む彼女のもとを何度も訪れ、必死に説き伏せたのは、父の部下で空軍少佐のマットだった。病院へ向かいながら、ケイシーは思った。結局、彼の魅力に負けたのかもしれない。これまで父に対する憎しみの目で軍人すべてを見てきたけれど、凛々しい軍服姿のマットは思いがけないときめきを予感させた。