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内容説明
「放火を手伝ってほしいんです」泊まっているモーテルの、3つ離れた部屋を訪ねて、ジェーン・デクスターは単刀直入に男に頼み込んだ。この数日、モーテルで見かけるたびに気になっていたそのハンサムな男性が新聞の裁判記事に添えられていた何枚かの写真によると、たれこみ屋ジミーといわれる小悪党だと知って、ジェーンは、このところの迷いがふっ切れたのだった。科学者だった兄が亡くなったあと、彼が遺した画期的な研究の成果が、いま、悪人たちの手に落ちようとしている。悪用されたら、世界に大変な危害をもたらすことになる。亡くなった兄はさぞかし無念だろうと、ジェーンは研究書類が置かれているはずの会社に火をつけて、いっそのこと全部燃やしてしまおうと決心した。一人ではむずかしいが、悪事のプロの手を借りれば、放火なんか簡単だ。きっとうまくいくにちがいない。