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内容説明
昼食後の保険会社の食堂は、秘書課の女性たちでにぎわっていた。みんな、ゆったりとくつろいで、女優志望のフランシーヌのパントマイムに見とれている。彼女はつぎつぎと会社のお偉方を演じていった。やがてフランシーヌはぴんと背筋をのばし傲慢そうにあごを上げてみせた。みんなは笑いながら、バリスター社長の名をささやきあった。自分の演技に夢中になるあまり、フランシーヌはあたりが突然静まり返ったことに気づかない。だが、ふりかえったとたん、そのわけがのみこめた。すぐ前に立っていたのは、当のバリスター社長だったのだ。フランシーヌは一瞬、目の前が真っ暗になった。