内容説明
ステージの中央に一人進み出て割れんばかりの拍手を全身に浴びるキャリー。『白鳥の湖』のオデットを見事に踊り終えた彼女は新しく誕生したプリマドンナ。これからは、今まで以上に厳しいレッスンを重ね、百グラムといえども体重の変化をゆるしてはいけない。華やかな舞台の陰では常に不安がつきまとい、マスコミの目が光る。プリマに恋愛はご法度、ましてや結婚など…と監督は言う。夫は集中力を、子供は体の線を奪ってしまうから。キャリーに幸せのパドドゥを踊る日はあるのだろうか。
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- 和書
- 生還 文春文庫