内容説明
「フリント・コットレルです」とつぜん見知らぬ男が訪ねてきてそう名乗った。図書館に勤めるラニが、休暇をとって山あいの空き家でのんびり過ごしているところだった。空き家の持ち主に頼まれて、庭の手入れをしに来たのだという。妖しく光る緑色の目をした彼は、ラニが指にはめている指輪に興味を示し、彼女にその指輪にまつわる話をしようとした。そのうえ、亡くなったそのおじから、彼女が指輪を相続したこともうすうす勘づいているようだ。“彼はなぜこれ程まで指輪に執着するのだろう?”ラニは彼のことが気がかりになってきた。