内容説明
輝くばかりのブロンド、大きなブルーの目、ハスキーな声。サンフランシスコ美術館に勤めるモーリーは魅力満点の女性だが、二年前、画家のセバスチャンと別れて以来、どんな男性とも深くつき合おうとはしなかった。モーリーの仕事のひとつは、美術館のために美術品を獲得すること。ところが、いまいましいことに、一人の男に邪魔されてばかりいる。大富豪の美術収集家シークイストの代理人、ジェイムズ・エリオットが、モーリーのねらった美術品をいつも横合いからさらってしまうのだ。もう我慢できない。モーリーはエリオットに抗議の手紙を書くことにする。丁重でクールな抗議文を書くには、まず怒りを静めなければ。そこでモーリーは、ひそかに悪口を思いつく限り並べたてた下書きを書いたが…。すべては、この出されるはずのない手紙から始まった。