内容説明
母の遺産であるクランドラオンの別荘を売るために、クリスティはロンドンから、フランスのブルターニュ地方の村、ベ・メイユにやって来た。ママはどうやってあの家を手に入れたのかしら?なぜ、わたしに秘密にしていたの?頭のなかにわきあがってくる疑問をふりはらおうと、クリスティはホテルの庭に出た。銀色の月明かりに、ふといたずら心を覚え、木に登るクリスティ。そのとき、「メリュジーヌ」と呼びかける声が聞こえた。下を向くと、リンゴの木に寄りかかっているひとりの男が見える。まるで伝説のヒーローのようだわ…。月に照らし出された男の姿に、クリスティは運命的なものを感じた。