内容説明
「では、月曜日の朝十時に迎えにいきます」と言われて、あっけなく決まったアルバイトの話に、ジェシカは驚いていた。アレックスが相当わたしのことを売りこんだらしい。もともとこの件は、友人で相談相手のアレックスが、知人の社会学教授が現地調査に同行する助手を探していると、すすめてくれたものだった確かに、悪い話しではなさそうだ。観光客になりすましてキャンピングカーで観光地をまわり、人々を観察したり、インタビューしたりする。助手を妻にしたてるというのも、ぼうっとした学問一筋の教授が相手なら、身の安全は保証されているようなものだし…。だが、そこには巧妙にしくまれた罠が隠されていた。