内容説明
公認会計士のジュリーは、謎の自殺をした同僚マークの仕事を引きつぎスタントン社の会計監査を仕上げることになった。締め切りの期日は迫っている。それにしても、子供を残してマークが自殺をするなんて…。割り切れない思いで葬儀に参列したジュリーは、そこで紹介されたスタントン社の社長リグにアパートメントの前までベンツで送ってもらうことにした。ハンサムでユーモアのセンスもあるリグは、非の打ち所のない男性だった。だが、うきうきした気分は、化粧台の鏡を見たとたん恐怖に変わった。鮮やかな紫色の口紅で鏡に文字が書いてある。しかも、奇妙なものがなくなっている。家に持ち帰ったはずの会計監査のファイルも書斎から消えていた。マークがコピーをとった書類が会社にあるはずだ―ジュリーは深夜のマジソン街を社に向けてタクシーを走らせた。明かりが消え、静まり返った会社の資料室に、目当てのファイルはあった。ところが、それを開いてみると…。