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内容説明
「この子はあなたの子供よ。あなたとエリンのね」その女性はゼッドの牧場を訪れ、赤ん坊をつきつけて言った。さらに彼女は彼の家に入り込んで、一枚の写真を差し出した。「わたしはエリンのいとこのカレン。エリンは死んでしまったわ」ゼッドは写真を見て目を疑った。自分にそっくりの男が、ヨットのデッキに、赤毛の若い女性の肩に手を回して立っている。だが、彼は赤毛の女性にも、ヨットにも見覚えはなかった。「確かに、この男は僕に似ているが、僕ではない。この女性には、会ったこともないよ」ゼッドは必死になって言うのだが、カレンというその女性は、私立探偵の調査書もちらつかせて、頑として譲らない。彼女はやがて、病院で検査してはっきりさせようとまで言いだした。ゼッドはそんな必要はないと思いながらも、疑いを晴らすために応じた。そして検査の結果、赤ん坊と彼の血液型は特殊な型であるにも関わらず、ぴったり一致していることがわかった。まるで親子のように。ゼッドは、まったく身に覚えのないことに芒然となった。