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内容説明
父によって十歳のときから修道院に預けられていたジャネッタは、二十歳を前にして、一大決心をしていた。父は、ジャネッタの体にある深紅のあざを悪魔のしるしと呼んだ。そんな体では、結婚など望めないと。でも、このまま神に仕えて一生を終えるのは我慢できない。こうして彼女は修道院を飛び出した。あてがあるわけでもなく、しかも溝に足をとられて動けなくなった。日は傾き、夕闇があたりを覆いはじめている。そのとき、若い男が馬から降りて声をかけた。「さあ、つかまって」いったい、わたしをどうするつもり?心配するジャネッタをよそに、彼はあくまで紳士的にふるまった。ジャネッタを介抱し、空き家へ連れていくと、空腹の彼女に食べ物を与え、騎士のバートランドと名乗った。濃い金髪、明るい茶色の瞳、そしてたくましい体。初めて見ると言ってもいい若い男性に、ジャネッタは恥じらい、戸惑った。そして、この出会いこそが、彼女を陰謀渦巻く宮廷へ、国王ヘンリー三世との出会いへと導くことに…。