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内容説明
一四八四年、ウェールズとの境界にほど近い裕福な荘園に、一身に愛情を受けてのびやかに育った少女がいた。少女の名はクレシダ。十六歳の誕生日を目前にした彼女はまだはかなげで、波打つ黄金の髪は金色の妖精を思わせた。しかし今、クレシダは思い出のつまった故郷の地を離れ、権謀術数うずまくリチャード三世の宮廷にいた。国王リチャードがウェールズ諸侯をおさえるため、自分の忠臣とクレシダの家とのつながりを求めたためだ。クレシダは国王の命により、ロクシター伯爵マーティンと婚約した。といって、大きく生活が変わったわけではなかったけれど。伯爵はクレシダをはなから子供扱いし、自分は任務に熱中した。クレシダ自身は、アン王妃付きの女官として仕えたが、リチャード国王の御代は終焉のときを迎えようとしていた。