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内容説明
ラークは結婚式を六週間後に控えて逃げ出した。もともと父親同士が決めていたのを漠然と承諾してしまったのだ。だから今になって、どこか静かなところで考え直してみたかった。足は自然になつかしいロッキー山中のキャビンに向かっていた。だが静かどころではなかった。そこには初恋の人ジャレッドがいて、ここは曾祖父が建てたもので、今は自分のものだから出ていけと言う。十数年ぶりに会う彼は、今ではさらに魅力的な大人の男になっていた。彼もまた、かつてのキャビンの主の娘が美しく変わったのに驚いていた。しかしジャレッドは、完全にラークを受け入れたわけではなかった。むしろ、婚約者にはっきり断っていない彼女の不実を責めた。彼には昔、ラークの父親に金にあかして大切なキャビンを奪われ、召し使いのようにこき使われた恨みがあった。ラークをおとりにしてでも彼女の父親をおびき寄せ、復讐したい。ジャレッドの胸に不穏な思いが渦巻いた。