内容説明
カルロス・ゴーンがやってくる一三年前、四半世紀にわたって経営を壟断してきた絶対的権力者・塩路一郎に、たった一人で「義憤」の戦いを挑み、少数の同志とともに、二三万人の労組体制を倒したサラリーマンがいた。その整地された上に成り立ったゴーン統治。それから一九年の歳月が流れ、今度はゴーン自身が絶対的権力者となって会社を壟断した。巨大組織はなぜ、同じ歴史を繰り返すのか?
目次
第1章 日産を蝕む「エイリアン」を倒す
第2章 戦う社長の登場
第3章 古川幸氏の追放劇
第4章 石原政権、最大の危機
第5章 ゲリラ戦の開始
第6章 辞職も覚悟した「佐島マリーナ事件」
第7章 組織戦―最後の戦い
第8章 塩路体制、ついに倒れる
第9章 戦いは何を変え、何を変えなかったか
著者等紹介
川勝宣昭[カワカツノリアキ]
日産自動車にて、生産、広報、全社経営企画、更には技術開発企画から海外営業、現地法人経営者というキャリアを積んだ後、日本電産にスカウト移籍。同社取締役(M&A担当)を経て、永守重信氏の直接指導のもと、日本電産グループ会社の再建に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりやまたけよし
34
労働組合が強かった頃を思い出しました。学生運動とかも凄かったですね。それと会社の経営は別物のようです。分けて考えないと混乱しますね。2019/04/23
誰かのプリン
17
巨大権力に立ち向かう一社員。その権力は自分達の利益しか考えず権力保持のためならなんでもやる。 そんな理不尽なやり方に疑問をもちついに巨大権力を打ち砕く。そんな男達の実像が記録されている。自分には到底真似出来ません。2019/04/11
らっそ
10
勤務先は未だに「労使協調」。組合員が管理職に「組合にチクって、お前なんか飛ばすぞ」って凄んだりしてる。日産は大きな会社だから大きく腐敗した。小さい会社は小さく腐る。だから、未だに生き延びている。いつまで続くかは別にして。労働組合の専横以上に、「絶対権力者」の労組トップが失脚後、何も汗をかいていない人たちが、社内で実権を握って、事なかれ主義になっていく状況の方が怖かった。2019/02/25
へへろ~本舗
6
ゴーンの前は塩路という男に23年も組合そして会社を牛耳られていた日産自動車。心ある七人の社員が7年の歳月をかけて異常な労使関係を改善していくが…。改善は長く続かず、ルノーとの資本提携、ゴーンによる経営改革となり、今やまた塩路解任劇を思わせるゴーンの騒動。結局日産は表面は変わっても根っこの所は不正腐敗の温床の会社なのであろうか?2019/04/11
snakedoctorK
4
表紙にゴーン前会長の顔写真が使われていますが表題の極秘ファイルとはまったく関係はありませんのでお間違いなく。 日産自動車という会社の体質は昔から変わっていなかったってことですね。変化を好まず保守的。だから、権力が集まってしまう。2019/05/26