内容説明
世界的な知性が描く海から見た文明論。
目次
宇宙、水、生命(一三〇億年前~七億年前)
水と大陸:海綿動物から人類へ(七億年前から八万五〇〇〇年前まで)
人類は海へと旅立つ(六万年前から紀元前一年)
櫂と帆で海を制覇(一世紀から一八世紀まで)
石炭と石油をめぐる海の支配(一八〇〇年から一九四五年)
コンテナによる船舶のグローバリゼーション(一九四五年から二〇一七年)
今日の漁業
自由というイデオロギーの源泉としての海
近い将来:海の経済
将来:海の地政学〔ほか〕
著者等紹介
アタリ,ジャック[アタリ,ジャック] [Attali,Jacques]
1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン大統領顧問、91年欧州復興開発銀行の初代総裁などの、要職を歴任。政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利などを的中させた
林昌宏[ハヤシマサヒロ]
1965年名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めい
15
海が人類にとってどれほど重要なものかを伝えてくれる大作。生命の起源は海から発生し、歴史の重要な転換点は全て海で起こっている、そして今なお経済や資源などの点で海は欠かせないものである。人類史を海の視点で見たのは新鮮だった。しかし、今は海は危機に瀕しており、このままでは人類の将来も危ないという。個人が出来ること、企業が出来ること、国家が出来ることが最後に纏められている。まずは個人が出来ることから始めてみよう。2018/12/18
ケニオミ
12
海がいかに重要な役割を務めてきたかをまず、歴史を俯瞰することから始め、今後の海がどのようになるかを科学を踏まえて予想し、人類の将来に深くかかわる海をどのように守るかを教えてくれる一冊です。個々人がしなくてはならないことが示されていて、自分の行動のうち、それに則していないものをどう改めるか考えさせられました。これまでの海の歴史は読むことはないです。これからの海について読むだけで有益の本です。2018/12/21
入道雲
9
海を軸に地球創成、海の形成、生命誕生、生物の進化、人類の海への進出、大航海時代、国家間の勢力争い、戦争、海運、漁業、レジャーと経済、地政学、未来の危機、海に関する提言と綴られる。著者がフランス人であるが故に、フランスやヨーロッパ目線が多いが、世界全体の視点として捉え、歴史や現状、今後のテーマに論述している。地球温暖化で化石賞を頂いた日本は、やや経済優先の立ち位置としてみられていることが分かる。これは日本の政治、経済、文化、メディア、そして個人がより意識しなくてはならない。プラスチック問題も厚く触れている。2021/12/04
きっしょう
3
海との関わりを通してこれまでの歴史を網羅し、今後の人類が実施すべき提言が纏められている。広く浅く駆け足のような内容だが、政治、経済、環境等幅広い分野で海の重要性が整理されていて分かり易い。南北戦争の時に最初の潜水艦が作られていたことは知らなかったが、更にそれがベルヌの海底二万里のノーチラス号のモデルになっていたとの記述に驚いた。2019/01/15
中島直人
2
(図書館)フランスの高校生向きの教養書的な印象。2023/09/18