出版社内容情報
人間にとって「健康」とはいったい何か。ひきこもり研究の第一人者である精神科医が、現代社会の病理を踏まえつつ描き出す渾身の一作。
斎藤環[サイトウタマキ]
精神科医
内容説明
近年、医学界では健康の考え方にパラダイムシフトが起きている。病気の原因を探る「疾病生成論」から、健康の原因を探る「健康生成論」へ。そこで人間が「健康」であるとは、どういうことか。本書ではSOC(首尾一貫感覚)、レジリエンスなど最先端の概念を縦軸に、ヒトラーや日本軍、ひきこもりなど多彩な例を横軸にして、斬新な「健康論」が展開されていく。さらに著者は問う。なぜ「世界一幸福だ」とはいうが、「世界一健康だ」とは誰もいわないのか。その背後に潜む「健康と幸福のパラドクス」の謎も読了後には氷解し、目前には「健康と幸福」の新世界が広がっていることだろう。
目次
現代医学の大転換―「健康生成論」の時代
「心の健康」尺度の筆頭格・SOCとは?
SOCの首尾一貫性、レジリエンスの柔軟性
「悪」のレジリエンスと日本のヤンキー文化
なぜ日本文化のレジリエンスは高いのか
レジリエントなシステム・三つの特徴
『失敗の本質』に学ぶレジリエントな組織
「ひきこもりシステム」のレジリエンス
混乱期には「病んだリーダー」が活躍する
レジリエンスを高める「幸福の法則」
ポジティブ心理学―幸福からウェルビーイングへ
「健康」と「幸福」の関係に潜むパラドクス
著者等紹介
斎藤環[サイトウタマキ]
1961年岩手県生まれ。筑波大学医学専門学群(環境生態学)卒業。医学博士。爽風会佐々木病院診療部長を経て、2013年より筑波大学社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、および病跡学。『世界が土曜の夜の夢なら』(角川書店)で第十一回角川財団学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
ころこ
金平糖
ハマギン
Kazuo Tojo