制度としての基本権

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  • サイズ B6判/ページ数 367p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784833221436
  • NDC分類 321.3
  • Cコード C3000

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

6
1960年代にマスメディアのネットワークが家庭内まで侵入する先進諸国で管理社会論が湧き上がる中、人権(基本権)を社会学側から捉え直す法学出身の著者は、従来の尊重すべき人権という価値論を保持する法システムを批判する。本書は、機能分化する社会システムの中で政治システムが自らを強化するためにメディアを活用して各システムに介入する管理社会的状況への抵抗の基点として各システムが共有しうる「制度」として基本権を捉える。その目論見は政治システムへの各システムの参入の権利(参政権)を政治側が規定しないようにする点にある。2024/08/09

ぷほは

5
独国家法学の兆候を機能主義的社会学の分化理論から歯止めをかけている。後の『社会構造とゼマンティク』まで続く論点も多く出てくるが、やはり国家と社会の区別や自然法と実定法の懸隔等の道具立てがいちいち「制度としての基本権」というタイトルを考える上で絶好の配置という感じであり、それなりに苦労して読んだが、これでもう一度『信頼』を読み返すことができる。この時点でも晩年でもやはり経済に関する貨幣論が貧弱なのはバークやパーソンズのシンボルによる一般化の議論の陥穽なのか、ルーマン自身の問題なのかを測る力量は今の私にない。2018/09/08

ぷほは

2
半年経ったのでというわけでもないが再読。骨格はかなり掴めるようになったが、未だ細かい論点について追いきれない箇所多数。1~3章が問題設定(社会分化における政治システムの位置づけ、及びそれに失敗している基本権ドグマティクへの批判)、4~8章が具体的分析(自己表出、行為態度予期、貨幣交換、選挙権、平等原理)、最後に9章でAGIL図式への当てはめ、10章で再度ドグマティクと機能主義社会学の関係が論じられる。自己表出を論じる上で人格の自由と尊厳、社会分化を論じる上での平等原理の保障等の論点の鮮やかさは感じ取れた。2019/03/13

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