内容説明
毒から薬へ、厄介な物質から薬へ…。この逆転劇はどのようにして起こったのか?人間がいかに自然と謙虚に接し、自然から学ぶ姿勢を持ってきたか、薬の歴史の一コマを垣間見ることで知ることができる。
目次
1 植物に由来する薬たち(アスピリン―柳と遭遇したストーン師、そして親孝行のホフマン;モルヒネ―夢の神が教えた脳内モルヒネ様物質:カフェイン―羊飼いは見ていた、カフェインの力を;コリンエステラーゼ阻害薬―治療薬への道、化学兵器への道;ツボクラリン―竹筒の中の秘薬;ジギタリス―ウイザリングと老女の出会い;抗甲状腺薬―キャベツをいっぱい食べたウサギが教えたこと)
2 微生物の働きでできた薬たち(ワルファリン―腐ったスウィートクローバーから見つかった抗血栓薬;ボツリヌス毒素―ボツリヌス中毒を乗り越えて;デキストラン―スウェーデンの暖かな夏の日に;ペニシリンとスタチン―抗生物質の力;ブロモクリプチン(麦角アルカロイド)―悲惨な麦角中毒が残した財産)
3 爆薬、化学兵器に関連する薬たち(ニトログリセリン―“No,I don’t know.”とニトログリセリン;マスタード類―びらん性毒ガスが癌を治す)