内容説明
老舗「松坂屋」に学ぶ呉服系百貨店“接客法”の奥深さ。戦前の「松坂屋」が店員教育のために作成し、当時の全店員が活用してきた貴重な四つの史料をまとめて紹介。
目次
第1章 松坂屋の店員心得と接客法の成立
第2章 接客法
第3章 簡単な売場接客景
第4章 接客標準用語
第5章 松坂屋読本(接客の巻)
第6章 戦前・戦後の接客法の普及
おわりに―松坂屋の店員と呉服系百貨店の接客法が果たした役割
著者等紹介
末田智樹[スエタトモキ]
1967年福岡県生まれ。現在、中部大学人文学部准教授。博士(経済学)、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えすてい
8
いとう呉服店時代から松坂屋に残されている接客の心得・マニュアル・社員教育本をふんだんに引用し、明治期から戦前までの松坂屋がどのように来店客や上客を案内し、商品をPRし、「リピーター」になってもらうのかを研究し纏めた学術論文形式の本である。著者は中部大学准教授であり百貨店史を研究してるようだが、まず地元民としてここまで詳細な史料が松坂屋(J・フロンントリテイリング史料館)に残されていたことに驚く。「おもてなし」が独り歩きし接客に神経をすり減らして疲弊した今日、百貨店接客史を研究する意義は非常に大きい。2020/03/11