出版社内容情報
詩人として核となったものは何なのか―。茨木のり子の十篇の詩を読みながら、彼女が生きた時代のありさまと、少女であった彼女の姿を追う。
本書は、昭和8年に茨木のり子が西尾尋常高等小学校に入り、成長し、敗戦を経て、詩人として出発するまでの物語である。
【目次】
ジグソーパズルの空白のピースを探して 宮嵜治
序 章 詩人茨木のり子が誕生するまで
◯西尾の少女の物語
本章の特長1 詩の背後にある原体験を読み解く
本書の特長2 詩人茨木のり子が誕生するまでの自己形成の物語
本書の特長3 人々を戦争に巻き込んだ昭和の時代を見つめる
〔凡例〕
第1章 詩「麦藁帽子に」
昭和8年(小学校1年生)
◯明るさの背後に忍び寄る影
1 昭和7年、のり子ロードを通う
2 昭和8年4月、小学校に入学
3 のり子の体に刻まれたリズム
4 明るさの中に際立つ暗さ
5 のり子の背後に忍び寄る暗い社会
第2章 詩「自分の感受性くらい」
昭和12年(小学校5年生)
◯宝塚少女歌劇と母への愛
1 詩「自分の感受性くらい」とのり子の戦争体験
2 昭和12年7月、日中戦争が勃発
3 母と見た名古屋公演の宝塚歌劇
4 昭和12年4月3日の日記
5 7月23日には東京宝塚劇場で
6 8月末に再び東京宝塚劇場へ
7 のり子の感受性を育んだものは何か
8 戦時下に抱いた「疑問」と詩「自分の感受性くらい」との関係
9 茨木のり子の表現者としての原点
10 母の死と詩人としての〈核〉
第3章 詩「癖」
昭和14年(小学校の卒業)
◯切なさの原体験と子ども時代の終焉
1 小学校卒業時の切ないドラマ
2 クラスの「やな子」とのアクシデント
3 谷川俊太郎の評
4 卒業を控えたのり子の物語①
5 菊ちゃんの物語
6 のり子の物語②
7 詩「癖」のドラマ性
8 卒業前の原体験が意味するもの
9 当時の西尾の町から
第4章 詩「お休みどころ」
昭和15年(高女2年生)
◯のり子の〈お休みどころ〉のひととき
1 西尾高等女学校の2年生、「十五歳の セーラー服の私」
2 詩「お休みどころ」が描き出すのどかな世界
3 〈お休みどころ〉の場所はどこか①
4 〈お休みどころ〉の場所はどこか②
5 図書室で森◯外の散文にため息をつくのり子
6 高女1年の「野良犬」と2年の「お風呂」に見る〈自分の感受性〉
7 そしてのり子は戦争の渦の中へ
第5章 詩「わたしが一番きれいだったとき」
昭和16年夏(高女3年生)
◯挙手の礼をする男を見送るのり子
1 「男の人はみんな挙手の礼をして行かれました」
2 「挙手の礼」をして発っていった男
3 男の先生の物語①◯昭和十五年度まで◯
4 皇紀二千六百年、変わりゆく西尾高女
5 男の先生の物語②◯昭和十六年度◯
6 挙手の礼を見送



