内容説明
ああ光州よ、我が国の十字架よ…一九八〇年五月、「光州事件」の渦中に発表された一篇の詩は、韓国民衆の、そして国家の運命を変えた。抵抗と民主化の代表的文学作品を日本初出版。
目次
第1部 ああ、光州よ(春夏秋冬;地異山を越えながら ほか)
第2部 鳥たちの歌(道;双子のお祖父さんの歌 ほか)
第3部 希望と真実(川の丘;夜の街のシャンソン ほか)
第4部 五月から統一へ(黒夜;野原に立って ほか)
著者等紹介
金準泰[キムジュンテ]
1948年、韓国全羅南道海南生まれ。1969年、月刊誌『詩人』を通じて文壇デビュー。高等学校の英語・ドイツ語教師を経て、『全南日報』と『光州毎日』で文化部長、経済部長を務める。韓国作家会議の副理事長、5・18記念財団の理事長(第10代)を歴任、朝鮮大学文学創作科で招聘教授として在職した。現在は著述活動と市民対象の文学講座に励んでいる
金正勲[キムジョンフン]
1962年、韓国生まれ。韓国・朝鮮大学校国語国文学科を卒業後、日本に留学。関西学院大学大学院文学研究科で学び、博士学位取得。韓国の視点から日本文学を読むことに励み、さらに文化の社会的役割を意識しつつ日本文化を韓国に、韓国文化を日本に紹介することに専念している。現在、全南科学大学副教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sachiko
1
金準泰は1980年5月の光州事件(光州民主化運動)を報道統制が敷かれた中でいち早く世界に知らしめた詩「ああ光州よ、我が国の十字架よ」で知られる。この詩集には、ほかにも光州に関する詩がたくさんおさめられている。「ああ光州よ、・・・」は事件直後、現地の新聞の1面で発表されたが4分の3は戒厳軍の検閲で削除されてしまった。新聞記者らは短い言葉で伝えることができ、広く知らせるためには効果的な(紙の量が少なくて済む)詩という形式を使うことを考えたという。金準泰の光州に対する思いや平和への思いの一端を知ることができた。2021/04/15