著者等紹介
秋月祐一[アキズキユウイチ]
1969年、神奈川県生まれ。「玲瓏の会」を経て、「未来短歌会」彗星集に所属。歌人。テレビディレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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東谷くまみ
43
前に読売新聞の編集手帳に載っていた短歌にハートをズキュンと撃たれ購入。なんとなくほむほむの歌に似ているけれど、そこに流れるのはそこはかとない哀しみというよりも、二人の心の距離の近さや幸福感。「いいことがつづくと怖いといふきみにでんぐり返しで近づいてゆく」「消えたテレビの画面に映るよこがほは泣いてるやうでゆず茶いれよう」同じ光景を見ているんだなという安心感みたいな😊動物が出てくる歌が多いのもとても素敵!「終電で帰宅した後すこしだけちよびに遊んでもらふ、ごめんね」ちょびのことをすごく愛してるんだなぁ❤️2023/04/12
さつき
5
'「生涯にいちどだけ全速力でまはる日がある」観覧車(談)'という一首のために衝動的に購入決めました、取り寄せ頼んだ時点で書影も見てなかったんですけど、ため息出るほど綺麗な本です。詩歌の本は高いもんだと思ってるんですけど、この造本でこの内容でこの値段はむしろ安かった。素敵なものを買いました。嬉しい。ところどころに差し挟まれる写真に引きずられてるかもしれないんですけど、視覚的な喚起力の強い歌が印象的かなぁ、あとちょっととぼけた感じの動物シリーズが可愛い。2013/06/16
はち
4
歌集らしくない歌集。本当に玉手箱のような一冊。歌集としては収録歌数も少なく、それこそ写真と短歌がうまくそれぞれの世界観を支えあっている。歌集、と一言で言ってしまっていいのかわからない本。私の作る歌とは全く違うタイプの歌が並ぶ。読み終わった後齧歯類を飼いたくなることは私が保証する!短歌慣れしていない人にもお勧めしやすい一冊。ぜひに。2015/10/24
紫苑
1
「詩画集」ということばがあるが、歌集の場合は何と言うのだろう。挿入されている写真が美しい。想像の幅を限定するというマイナス面を考慮してか、過去、歌集に絵や写真を添えることはまれだったように思うが、このような作りだと、途中でふっと息が抜けるようにも思った。歌はオノマトペがみずみずしく、肩肘を張らない平易なことば使いで、幅広く受け入れられるだろうと思われる。和綴じを取り入れた造本が秀逸。2016/04/06