内容説明
ノーベル賞詩人タゴールが晩年に達した境地とは。珠玉のことばの贈りものを、待望の新訳で。
著者等紹介
ロビンドロナト・タゴール[ロビンドロナトタゴール][Rabindranath Tagore]
インドの詩人・思想家。1861年カルカッタ(現コルカタ)生まれ。1913年、英文詩集『ギタンジャリ(歌のささげもの)』によってアジア初のノーベル文学賞を受賞。旺盛な詩作のかたわら、小説・戯曲・評論・教育・音楽・絵画においても頭角をあらわし、インドの近代化と東西文化の交流を図る
川名澄[カワナキヨ]
1960年愛知県生まれ。名古屋在住。文筆家・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mijas
57
アジア初のノーベル文学賞受賞者タゴールの60代の時の作品集。日本文化を敬愛していたそうだが、自然、命、永遠、愛、美といったモチーフの短詩はどこか短歌を思わせる。作曲家でもあった彼の言葉は響きが美しい。英語の原文も掲載されているが、日本語訳もまた味わい深い。「はなればなれのふたつの岸が声をひとつにして 底なしの悲しみのうたをうたう」「あなたは炎のように思い出を残していく わたしのお別れのさびしいランプに」「昼は星々の静寂(しじま)にささげる 永遠(とわ)の命のために調弦した金色(こんじき)の琵琶を」 2016/03/04
hoshinot
5
死期が近いことを感じたとき、タゴールは「わたしは愛に生きた 漫然と生きてきたのではない」と歌った。一方、死に直面したイワン・イリイチは最後にこう歌ったのではないか。「わたしは漫然と生きてきた しかしいまは愛に生きている」と。彼らのうたは残るだろうか。それはわからないが、でもたしかに彼らは歌いながら、タゴールは「いくたびも」、イワン・イリイチは最期の「この一瞬に」、永遠を見つけたのだ。とても美しい詩集。大切に読みたい。2015/08/21
am
5
初めてタゴールを読みました。とても分かりやすくて聖書のような詩。いのちの終わりを意識しているのが分かる。――「でもわたしはたしかに うたいながらいくたびも わたしの永遠を見つけたのだ」 永遠は有限の果てにしかないのかもなあ。はああ。つらい。2012/01/18
ユウスケ
4
日本と中国に影響を受けたという、インドの詩聖による短編集。定型詩として俳句や短歌に近いところもあり、また自然を織り込むという特徴から、多くの日本人に読んで欲しいなあなんて思いました。2023/02/05
イコ
4
中国と日本の短詩に影響された短い詩の数々、短いながらも詩心に優れている。2019/04/08