内容説明
戦中、国を挙げてウルトラナショナリズムへと雪崩をうって傾斜していくさ中、日本浪漫派の首魁・保田与十郎をはじめとする戦争協力者・赤狩りの尖兵たちに対して峻烈な批判を展開、人びとを震撼させた処女作(私家版)、待望の複刊。若き日の燃えさかる激情が全篇にたぎる憤怒の書であり、戦後花開く明平文学の原点ともいえる書である。
目次
詩人とその成長について
失はれた笑
アンデルセンのために
独逸文学翻訳書二三
「暢気眼鏡」を観る
「紅楼夢」について
「文芸」賞作品について
動物小説の流行
夏手袋はぜいたくか
或暗い日に
英文学讃
「西蔵旅行記」
ダ・ヴィンチの「創造的精神」〔ほか〕