内容説明
視覚・聴覚障害、肢体不自由、知的障害の人々はいかに戦時体制に組み込まれ、積極的または消極的に動員されていったか。また、選別され、排除されていったか。
目次
第1部 戦争は障害者を選別する(徴兵検査「不合格」;「廃兵」から「白衣の勇士」へ;「目が見えなくても手と耳で」―視覚障害;大人も子どもも産業戦士―聴覚障害;学童疎開から外される―肢体不自由;島を追われ、潰えた生命―知的障害)
第2部 戦争は障害者を生みだす―ある戦災傷害者の歩んだ道(生没同日;厳しく躾けられた幼少期;太平洋戦争始まる;被災;「一歩下がって生きていくしか」;立ち上がる戦傷者;晩年)
著者等紹介
林雅行[ハヤシマサユキ]
1953年、愛知県名古屋市生まれ。ドキュメンタリー映画監督。1995~2021年まで「クリエティブ21」代表。映画を始めテレビドキュメンタリー番組等の制作、書籍出版などを手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アナクマ
33
障害者は戦争の時どうしていたのか?徴兵検査は?戦争をどう捉えていた? ベテランのドキュメンタリー監督らしい光の当てかたで、肉声多数、20年以上にわたる取材をまとめた貴重な記録。『敵機爆音集』レコードでの探知訓練。学童疎開からの疎外。伊豆大島と清里・清泉寮の関係。論点整理のうえ史学・政策面の裏付けを施し、新書化してみてはどうかしらん。◉後半は、民間戦傷者の援護法制定を求める「全傷連」を立ち上げた100歳会長の杉山氏を追うルポ。2022/09/04
tama
5
図書館本 新刊案内で ナチがやったT4作戦みたいなのが日本でもあったのかと思って借りたが、全然違った。しかもこの本、誤字チェックが酷い。書名は確かに嘘じゃないが戦争「で」傷害を受けたものの話が殆ど。僅かに知的障害者のことも出て来るが、今とそうは変わらない話。ナチがやったのは狂気になった理性が引き起こしたホロコーストだが、日本のは世間と世間体が原因の話でこれは今と同じでしょ!というか日本の「知的障碍者」に対する感覚は戦前・戦中と大して変わってないのね。インチキ本と言ってよい。2022/08/17
Go Extreme
3
戦争は障害者を選別する: 徴兵検査「不合格」 「廃兵」から「白衣の勇士」へ 「目が見えなくても手と耳で」─視覚障害 大人も子どもも産業戦士─聴覚障害 小学生を軍需工場に動員 学童疎開から外される─肢体不自由 島を追われ、潰えた生命─知的障害 寒さと飢えで消えゆく生命 戦争は障害者を生みだす─ある戦災傷害者の歩んだ道: 「人間瞬間湯沸かし器」 生没同日 厳しく躾けられた幼少期 太平洋戦争始まる 被災 「一歩下がって生きていくしか」 立ち上がる戦傷者 晩年 刃尽き、矢が折れても2022/07/19