内容説明
「固有の美」に幻惑されつづけてきた日本文化。その裏面に匿されている「醜」。互いに照射し合うそれらの彼方から、今一度、日本文化の「美」を問う。
目次
架橋の論理―橋の仏教史断章
通俗的メディアとしての『偐紫田舎源氏』―ストーリーマンガの視点から
日本の伝統芸能の固有性を育てた日本の劇場空間―21世紀の日本の劇場のあり方を考えるために
奄美における宗教と歌謡―奄美母権制文化試考・続(1)
建築文化考―東京四堂物語
太宰文学の美と醜―「十五年間」を中心に
日本文化を語ることのアポリア―独自性・世界性・閉鎖性・相互性
日本語を教えるということ―山口喜一郎について考える
いのちの危機と象徴の危機―宗教と科学の統合をめざして
大学・教養・修養(続)
古代の皇統論争 「女帝の世紀」を問う―日本文化と天皇制の基礎研究(2)
地縁再考―創発的な場所理解に向けて
柳宗悦と石川三四郎
岡本利吉と消費組合運動―「美」と「共働」の原コミュニティ
大阪樟蔭女子大学図書館蔵 伝嵯峨本『源氏物語』「宿木」の木活字とその組版