内容説明
床下を探れば、江戸の暮らしがみえてくる!江戸期の白川村は、焔硝生産によって大きな経済的利益を得ていた―合掌家屋の床下で作られていた焔硝と食文化のありようを解き明かし、「貧しい村」というイメージを一新。ローカルな知のもつ可能性をひらく。
目次
第1部 「食」から読み解く白川村の生活―昭和初期の実像へ(なぜ「昭和初期の食生活」を問うのか;主食からみえてくる食生活の骨組み;多様だった野菜栽培―日常の副食から;江戸期の味噌を再現する;ハレの食べ物だった動物性食品;食べ物の周辺のこと;エネルギー摂取状況からわかる高い経済力)
第2部 「焔硝生産」から読み解く白川村―開かれていた村の経済交流(焔硝とは何か;白川村の焔硝土の秘密;焔硝土の原料とその役割;多くの人尿を使った焔硝生産;焔硝と白川村の経済;外に開かれていた白川村)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴジラ 芹沢
2
硝石の化学ともいうべきか、とにかく硝石が出来るのに必要な条件が詳しく載っている。2020/07/01
人生ゴルディアス
1
火薬の原料である硝石の作り方だけでなく、得られた硝石と収率から逆算して屎尿の量を導き出したり、一軒当たりの床下をどのくらいの面積でどのくらいの深さにわたって焔硝土としたかなど実に多岐にわたって詳細に記されていてよかった。またそれだけでなく、大正から昭和初期の白川郷一帯の食生活についての聞き取り調査も興味深い。よくネットで「江戸時代の食生活は平均的に」なんて論を見かけるが、高度成長期以前の平均とやらがいかに頼りないものか、同じ地域でも集落ごとに多彩である様子を垣間見せてくれる。2025/03/13




