感想・レビュー
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nbhd
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金沢の古書店で手に入れた暁烏ラヴァーの本。「ご承知のように先生は、悪魔とか色魔とも言われています。これがまた間違いでもないのです」と弟子筋の著者は書いている。師匠の不貞スキャンダルをものともせずに「相矛盾するものを同時にかかえて生きられた方」と言えてしまう。このあたりに、煩悩を否としない親鸞読解の「応用」があるのだと思う。/(暁烏2)暁烏の語りの方法は確実に現在に受け継がれている(内容ではなく「方法」が)。この点で、暁烏が生きたニッポン近代は現在と「地続き」にあることを、ぼくは初めて実感した(気がする)。2016/09/01