感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
7
昆虫の耐寒性についての研究を、専門性を維持しながらわかりやすく解説してくれる。まずは、イラガの前蛹を使った研究から、過冷却、細胞外凍結、グリセリン生成といった仕組みを明らかにして、続いてさまざまな昆虫の越冬形態と耐寒性を調べていく。耐寒性能は持っていても限界があり、越冬できずに死んでしまう個体もあれば、越冬場所を開拓して新天地を見つける個体もあるって、生態学では当然だけれど、1匹ずつの運命を思うと無常だな。1991年発行だから、今ではもっと研究が進んでいるのだろうね。 (★★★☆☆)2022/02/27
150betty
0
☆☆☆★★(虫がだいぶ好きなら読んでもいいかも)一個前に読んだ本がぬるくて、この本は読み始めでちょっと読みにくくてウエッとなったけど、読み始めるとそうでもなかった。主にイラガを使った虫の寒さに対する耐性を実験した本。一般に哺乳類は体温が下がると体が凍る前に冷温死、凍死するのだけれど、虫は体が0度近くなっても凍死はしない。ただ、一旦体が凍結してしまうと凍死してしまう。しかし虫の中には-10度を下回っ手も体が凍らない種類がいて、そのメカニズムを探るお話。2013/03/04