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内容説明
世界に誇る名監督、小津安二郎。日本映画の巨匠の名作に多数出演し、圧倒的美しさと存在感で多くの人々を魅了しながら、突如42歳で銀幕を去った“伝説の女優”原節子。映画史に永遠に輝く二人の、知られざる“殉愛”とは? 小津作品の中でも頂点とされる紀子三部作、『晩春』『麥秋』『東京物語』をはじめ、数々の名作ゆかりの地を訪ね歩き、多くの関係者にインタビューして綴られた名作誕生秘話と“伝説の愛”。評伝の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
3
小津安二郎と原節子の関係を、小津の映画を分析し関係者の証言を織り交ぜつつ考察した一冊。私生活の領域に立ち入り過ぎず、あくまで仕事を通しての論述が主だというあたり、小津、原両氏への敬意が感じられ、読んでいて心地よかった。こうした相手への「気兼ね」を忘れぬ態度こそ、小津が理想とし、原節子や笠智衆に演じさせた人間像なんだよなあ。名著です。2017/08/15
駄目男
2
本来なら『純愛』と書くところを敢えて『殉愛』と表記するところに、二人の並々ならぬプラトニックな愛が存在するかのようなタイトルだが、果たして本当のところはどうなんだろうか。 殉愛とは愛に殉ずるということからして、余程深い思いがないとこうは言えない。 愛情の深みは尊敬と共にあるが、決して男女の一線は超えないということか。これは難しい。 映画監督と女優の結婚は決して珍しいことではないのに。 好きになったら自分の物にしたいというのが、これ人情。 私だったら原さんを目の前に普通の感情でいられるかどうか自信がない。 2017/03/11