目次
序論 連合艦隊とはいかなる組織であるか
第1部 平時における連合艦隊の活動(連合艦隊の海軍法規上の地位と軍縮体制下での変容;関東大震災と海軍大演習;美保関事件;ロンドン海軍軍縮条約―前線部隊の統率と海軍の統制問題;連合艦隊の政治運動)
第2部 戦時における連合艦隊の活動(連合艦隊司令部の独立と大海令―日中戦争と真珠湾攻撃を事例に;ガダルカナル島を巡る陸海軍協同作戦と連合艦隊;海軍から見た島嶼戦と陸軍の玉砕―アッツ島玉砕以降を中心に;軍令部の介入と先例重視の相克―豊田副武長官期を中心に)
結論 「臨時組織」の権威確立とその暴走
著者等紹介
木村聡[キムラサトシ]
1993年、茨城県生まれ。2022年4月より別府大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
13
中公選書『連合艦隊』で「連合艦隊は海の関東軍」と喝破した著者による研究書。大正時代の常設化以後の「組織としての連合艦隊」にスポットをあてた内容は、刺激的で大変面白い。現場の出先機関であるはずの連合艦隊が海軍全体の意志決定を代表するようになるが、あくまで現場の用兵権を持っているだけなので、陸軍との折衝は内地の軍令部が行い、案の定コミュニュケーション不全を引き起こす。それは陸海空の密接な協力が必要な島嶼戦において致命的な事態であり、玉砕の悲劇の一端が連合艦隊の独善的な行動にあったのを丁寧に論証している。2025/05/10
onepei
2
著者の選書の姉妹版。併せてよい。2023/04/30