内容説明
「悪人」たちの真相。真宗史に輝く重要人物の9つの物語。
目次
善信房親鸞
熊谷直実
弁円
慈信房善鸞
唯善
下間蓮崇
顕如と教如
智洞
金子大榮
著者等紹介
井上見淳[イノウエケンジュン]
1976年、福岡県生まれ。龍谷大学准教授。中央仏教学院講師。浄土真宗本願寺派正恩寺衆徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
76
浄土真宗本願寺派が発行する雑誌『季刊せいてん』に連載された、宗史に重要な影響を及ぼした人物の評伝をまとめた本である。この本に於ける「悪人」とは、ご宗旨的な意味に於ける悪人であることは言うまでもない。とは言え、宗祖「善信房親鸞」に始まり、近代教学を大成した「金子大榮」に至る大人物ばかりだった。なお、六点は半分以上の人物をこの本で初めて知った。江戸時代の宗義論争なんて、流石に「初耳ですごめんなさい」する他無い。ほぼ、800年にならんとする浄土真宗の歴史を学ぶ第一歩として、良い書物にご縁を頂けたと思う。2022/04/25
ホシ
17
親鸞、熊谷直実、弁円、善鸞、唯善、蓮祟、顕如・教如、智洞、金子大榮。浄土真宗の歴史上、注目すべき”訳アリ”な10人の評伝。各人の生涯が物語風に語られます。ある程度知識がないと難しいですが、もっと浄土真宗を学んでみたいという方にはオススメです。唯善、連祟、智洞については初めて詳しく知れたし、金子大榮の思想や三業惑乱についても整理ができました。浄土教に救いを得たことを喜びつつも、だからこそ、自分なりに浄土教を信奉し護持するあまり、波乱に満ちた生涯を生きざるを得なかった彼らのドラマは実に人間味に溢れていて良い。2023/01/24
那智@灯れ松明の火
6
物語調になっていて、無知な私でもとても読みやすかった!仏教関連の他の本も是非読んでみたいと思った。2022/03/25
鹿野苑
3
浄土真宗本願寺派の出版社の出している『季刊せいてん』に連載されていたものとのこと。 世間一般の善悪というのとまた違った意味での「悪」人として真宗に触れていれば当然知っている親鸞聖人を始めとして現在までに真宗に関わってきた人たちのいい話だけじゃない姿をドラマティックに見せてくれている。印象に残ったものを。 「善信房親鸞」 自分の思い描く親鸞聖人はなんとなく法然上人のところに集う人たちの多くとは仲良く出来てなかった感じがするので、ここに書かれている親鸞聖人はちょっとできがいいなと感じる(笑) 2023/01/31