内容説明
髪に山王権現が降臨し、児は観音菩薩となる。今東光『稚児』以来、「禁断」の儀礼として語られがちだった児潅頂とは何か。櫛の口伝が意味するものとは。いまは廃絶した密教儀礼・児潅頂について、諸本研究と内容分析からその輪郭を初めて解明する。
目次
第1部 児潅頂の基礎的研究(諸本の分類;児潅頂の儀軌;談義所での書写活動;付論 美濃国深瀬談所について;付論 『胎内口決』に関する覚書〈附翻刻〉)
第2部 児潅頂の諸相(異本『弘児聖教秘伝私』考;児潅頂と今東光『稚児』;口伝別紙『櫛口伝事』『櫛譜秘事』考)
資料編(児潅頂諸本の書誌情報;翻刻・影印天王寺蔵『児潅頂口決相承』;翻刻・影印成菩提院蔵『児潅頂式』;翻刻 叡山文庫蔵(無動寺蔵)『児潅頂次第』
翻刻・影印 立教大学図書館蔵『弘児聖教秘伝』)
著者等紹介
辻晶子[ツジショウコ]
1982年、大分県生まれ。2018年、奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。現在、大阪経済大学経営学部専任講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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