内容説明
日本における仏教は、神祇信仰や中国思想、キリスト教など様々な文化・思想との交流の中で、「日本」的な特性を醸成してきた。その形成の過程と特性を追求した、日本を代表する仏教研究者たちにおける最新の研究論考。
目次
論文(正像末史観の受容と太子信仰の深化;井上円了における科学の世界と仏教の世界;『釋淨土群疑論』の日本における受容の形体;日本仏教と「顕道無異」の思想;親鸞における漢文訓読の特性―現生正定聚思想の成立を中心として;善導教学と證空;中世医書と仏教信仰―梶原性全著『頓医抄』における鬼・鬼神を手がかりとして;真盛上人の伊勢信仰について―天照大御神男体観を中心に)
セッションコメント
発表要旨(日本禅の多文化性―夢窓疎石を中心に)
論文(釈迦金棺出現図の主題をめぐる一考察;海洋交易路における密教の流伝;『観音経』の日本的展開;インド・イスラームと仏教―近代化を模索した人々;「五姓各別」説とインド瑜伽行派―種姓のない者の源流と展開を中心として;実在の浄土と観念の浄土―キリシタン教理書に投影された近世仏教の救済論;大谷光瑞と「喇嘛教」―近代日本仏教と異文化;仏教は日本で何に出会ったのか―仏教伝来の再検討)