内容説明
日本の近世社会は仏教が人々の心に“住み着いた”世界であった。すなわち仏教“住み着き”・仏教“土着”論を提起する、近世思想史研究第一人者の壮大な構想に基づき、気鋭の研究者が21の課題に果敢に挑戦した意欲的論集。
目次
1 真宗土着(聖地―「権化の清流」は「霊場」へ―『反古裏書』に読む戦国期真宗僧の論理;都市―貝塚寺内・願泉寺の由緒をめぐって ほか)
2 身体と霊異(生身仏―叡尊の行基信仰;霊験譚―縁起・伝承をめぐる寺社と民衆の葛藤 『清水寺縁起絵巻』における田村麻呂伝承の展開を中心に ほか)
3 世俗の中で(支配―無住『雑談集』が描く支配と解放;護持僧―中世醍醐寺における法身院と満済に関する一考察 ほか)
4 土着主義運動(反耶蘇教―『顕順師殉難録』再考―反耶蘇反対一揆としての越前護法一揆;国民国家―土着主義運動と井上毅「人身教導」構想 ほか)
著者等紹介
大桑斉[オオクワヒトシ]
1937年石川県金沢市に生まれる。60年金沢大学法文学部史学科卒業。67年大谷大学大学院博士課程満期退学。74年同大学専任講師、のち助教授を経て、84年同大学教授。この間、同大学図書館長・同大学院文学研究科長・仏教史学会会長ほかの要職を務める。博士(文学)
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