内容説明
ブームだけに終わらせない。マンダラを深く、広く、面白く感じるための一冊。
目次
第1章 自己と宇宙
第2章 死のイメージ
第3章 マンダラの構造と機能
第4章 マンダラの表現方法とその意味
第5章 両界曼荼羅の世界
第6章 マンダラは心を表しているか
著者等紹介
森雅秀[モリマサヒデ]
1962年生まれ。1984年名古屋大学文学部卒業。1990年名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期課程中退。1994年ロンドン大学大学院修了。Ph.D.(ロンドン大学、1997)。名古屋大学文学部助手、高野山大学文学部助教授等を経て、金沢大学文学部教授。専門はインド、チベットの仏教文化史。比較文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
4
古代インド哲学の質量因と動力因としてのブラフマーとアートマンの同一視に至る宇宙論と、その生成と破壊である輪廻の中では死さえも生と死の同居する形でイメージされることを踏まえ、灌頂の儀式において入門者をそこへ導入する装置としてのマンダラの意義を示し、それが密教の宇宙論である仏の世界を象徴によって表していることを確かめ、日本においてついとされる金剛界と胎蔵界のマンダラがそれぞれ異なる起源と来歴を持つことを検証し、ユングによって自説の補強に使われたに過ぎないマンダラの今日日本において濫用とも言うべき扱いを糺す。2018/05/22