内容説明
奇才か、聖人か?明恵の真実の姿とは?生涯自身の見た夢を記録し、インドへの憧れを持ち続けた中世の学僧、明恵。これまで実践面のみが注目されがちであったが、思想・教学の諸側面から捉え直し、理論と実践を往復した、“包括的思想家”としての明恵像を提示する。
目次
第1部 明恵思想の教理的枠組み(文覚・上覚と明恵;景雅・聖詮の華厳学と明恵 ほか)
第2部 明恵に於ける諸実践とその基本理念(初期の教学的・実践的関心;『華厳唯心義』の『大乗起信論』解釈 ほか)
第3部 明恵の戒律観(明恵に於ける不婬戒の問題;修法から授戒への移行 ほか)
第4部 明恵『夢記』とその周辺(明恵の羅漢信仰;明恵と善妙説話 ほか)
第5部 明恵以後の展開(日本華厳宗に於ける明恵の位置づけ;高山寺教学の展開―喜海の華厳学をめぐって)
著者等紹介
前川健一[マエガワケンイチ]
1968年三重県名張市に生まれる。1991年東京大学文学部印度哲学専修課程卒業。2002年東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻インド文学・インド哲学・仏教学専門分野修了。日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院人文社会系研究科COE(研究拠点形成)プロジェクト「死生学の構築」特任研究員、東京大学大学院医学研究科グローバルCOE「UT‐CBEL」特任研究員などを経て、現在、公益財団法人東洋哲学研究所研究員。博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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